法人と個人事業の違いについて
風俗営業の許可は、個人でも法人でもどちらでも申請できます。
まずは、個人事業でスタートして、事業が軌道に乗ったら法人にしようと考えている方が多いのではないでしょうか。このように考えられている方は注意を要します。
風俗営業の許可は、個人から法人への法人成りは認められていません。
したがって、法人化する場合には、個人で取得した許可を返納した上で再度、法人として許可を取得しなければなりません。
しかし、個人で許可申請したときに場所的要件が満たされていても、後に法人名義で申請したときには、新たに保護対象施設が建設されていたりして、要件を満たさないこともあります。
このような場合には、その場所での法人化はあきらめることになります。
風俗営業を始めるときには、許可申請の段階で将来の事業展開を見据えたうえで、個人で申請するか法人で申請するかを決定することが重要です。
法人化するメリットについて
事業を譲渡することができる
個人事業者である風俗営業者が死亡した場合には、その相続人は被相続人の死亡から60日以内に公安委員会に届け出て承認を受けることで、風俗営業を継続することができます。
個人事業の風俗営業を承継できるのは、この相続の場合だけですので、相続人でない第三者に事業を譲渡することはできません。
個人で取得した許可を譲渡する行為は違法ですから、注意をしてください。
これに対して、法人であれば、法人の合併または法人の分割という形式で、適法に風俗営業の許可を事業ごと譲渡することが可能です。
節税効果があります
法人成りのメリットとしてよく節税効果があるとされています。
以下、代表的なものを列挙します。
- 事業所得から給与所得への転換
- 個人事業主の給与は損金算入できませんが、法人の場合は役員報酬を損金算入することができ、節税になります。この役員報酬は給与所得控除を受けることができます。
ただし、オーナー色の強い一定の同族会社の場合、損金不算入となる取り扱いがありますので注意してください。 - 家族給与(所得分散)による税の軽減
- 個人事業の場合、配偶者などの扶養家族に給与を支払う場合、専従者給与として金額に上限があったり、事前に届出なければなりません。
さらに、1円でも給与を支払うと、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。
しかし、法人では家族が事業を手伝った分だけ家族に給与を支払うことができ、それが一定金額であれば、配偶者や扶養親族として控除の対象とすることもできます。 - 退職金の支給による税の軽
- 個人事業の場合、退職金を支払うことはできません。
しかし、法人であれば退職金を支払うことができ、しかも勤続年数に応じた一定額まで所得税は非課税ですし、死亡退職金は相続税法上も非課税枠があります。 - 生命保険の経費化
- 個人事業の場合、所得控除で認められる以外、事業主の生命保険料を経費とすることはできません。
しかし、法人の場合、損金処理が可能であり、退職金の原資や、万が一の時の事業資金、遺族保証、入院費用等にすることができます。
法人の経営者は有限責任となります
個人事業の場合、事業による負債は無限責任となり、その事業を廃業しても個人財産をもって支払わなければなりません。
これに対して、株式会社や合同会社の場合は有限責任となり、会社が倒産したとしても、それによる負債は全て法人に帰属し、経営者の個人財産で支払う必要はありません。
ただし、保証人等になっている場合は個人責任を負います。
法人化により信用度がアップするので、取引上のメリットがある
一般的に、株式会社のような法人の場合は、個人事業に比べて社会的・対外的な信用を得やすいといえます。
新規取引や金融機関からの融資などは、法人化することで有利に運ぶことが多くあります。
また、個人経営より法人のほうが従業員の採用が容易で、かつ、その定着率も向上するといわれています
法人にした場合のデメリットについて
設立費用がかかる
法人を設立するには、法人登記の登録免許税など会社設立費用が発生しますが、個人事業の場合は、これらの費用はかかりません。
また、公証役場や法務局等に足を運ばなくてはならないので、時間と手間がかかります。
会計処理が煩雑になる
会社の場合は、複式簿記で記帳を行い、決算書類は損益計算書と貸借対照表を作成することが義務付けられていますので、記帳業務が煩雑になります。
交際費等の損金参入の制限
個人事業であれば、交際費は原則として全額が必要経費として計上することができます。
これに対して、法人の場合は一定の額しか認められなくなります。
利益がなくても、税金が発生する
個人事業の場合は、所得が赤字になれば税負担は発生しません。
これに対して、法人の場合は、法人所得が赤字であっても法人住民税等が発生します。







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